* | | * | | | 日本語夜間学生で、現在九江第3中学校で教鞭をとっている呂栄という名の女性教師がいる。この教師、江西師範大学を卒業し、昨年9月から同中学に奉職したのだが、見るからに明るく、語り口もはきはきして、いかにも教師の風格がにじみ出ている。学校では「女王」というあだ名がついているとのこと。アネゴ気分の彼女にはうってつけのあだ名かもしれない。
彼女と知り合ったのは昨年(2006年)10月。彼女は九江学院が募集した夜間の日本語コースに応募し、ともに学ぶようになった。その成長はすさまじく、正課の日本語科の生徒が舌をまくほどである。彼女は大の日本びいきで、いつか日本へ行きたい夢をもっている。最近では、週に3日は住まいに尋ねては、われわれが知らない中国の食べ物を届けたりしてくれる繊細な心の持ち主でもある。
私用で、日本に帰らなければならなくなったときも、交通機関に勤める友人を介して安い飛行機のチケットを手配してくれるなど、有益な援助を惜しまない貴重な存在となった。
彼女と付き合うなかで、彼女の身の上を知るにつけ、ほとほと感心することがあったので特に紹介したい。
彼女は当年23歳。江西省西北部の萍郷市(ピンシャン)の出身で、家族は母子3人である。父は現地の炭鉱事故で、彼女が3歳に満たないときに死亡し、写真以外に父親の面影がないという。以後、母親の力で二人の子供を養育し、進学させたそうである。彼女は高校・大学の時にはアルバイトをしながら、自分の学費を稼ぎ出したそうである。「感心だね」と褒めると、「母親の苦労を見るにつけ、すこしでも苦労を和らげてやりたかったので。」とさらりと言う。なんとも、親思いというか、奥ゆかしいというか、彼女の顔がいま大学に行っている私の孫の顔に似ていることもあり、かわいくて仕方がない。
彼女は大学時代に観光ガイドの資格も取り、夏、冬、労働節、国慶節の連休にいはガイドのしごともしており、この方が結構いい収入になるそうだ。今回のメーデー連休も5日間で3000元を稼ぎ出したといっていた。彼女の本職の3ケ月分の給料に匹敵する。中国では、教師もアルバイトしていいのかなあ?彼女は、瀋陽大学で学んでいる弟に毎月600元の生活費の仕送りをしていると聞けば、家内ともども、ますます感心するほかはない。
こんな彼女に巡り会えたのも、なにかの縁であろう。彼女のために、なにかしてあげたいと思う今日この頃である。
写真左:ロエイ(呂栄)教師 写真中:彼女が勤める九江第3中学校 写真右:沙河教会へ行ったとき(呂栄)右端 |
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