永谷元宏の「長沙日語学院 友好の輪
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福島顕二郎の長沙教師録〜未来への道が完成(文字クリック)

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2006/10/20

中国の若者パワー


9月9日(土)
 野村先生のお腹の調子が悪いという。心配だ。なんでも学生食堂のご飯を食べたのが原因とか言っていた。私も注意が必要だ。一度食べたが確かに激辛だった。だからほんの少しずつご飯に混ぜて食べるのがコツ。決して全部を食べないことだ。         

 それにしても学生達は(女子)よく食べる。丸い深鉢に一杯のご飯を入れ、その上に激辛で油たっぷりの野菜や肉の炒め物をこれまたたっぷりとかけているのだ。これを毎日食べて何ともない?と言う。食習慣とは実に恐ろしい。お腹の赤ちゃん時代からお母さんの食べる激辛や油を摂取しているわけだから道理というものか。                     

 ここの学生達を観察すると、女子といえども、体ががっちりしている。肥満といえるような学生は一人もいない。あの量のご飯を毎日食べてだ。「辛味が無いとすぐお腹がすいて困る」と笑っていた。実にたくましい。化粧している学生はほとんどいない。茶髪の学生は若干いるが、贅沢をつつしみ、健康的で活発な学生ばかりだ。どこでも私を見つけると「ハイ先生!」と声を掛けてくれる。「老師」の地位は高いのだ。そして実に礼儀正しい。               

 顔色や肌は日本人に比べてやや浅黒いとは思うが、その健康さや自然の美しさは日本の高校生には及びもつかない輝きがある。              


 勉強量もすさまじく、夢に向かってまっしぐらだ。彼女達は卒業すればほとんどが日系の企業に就職するという。就職活動は全部自分でする。日本の学校のように、学校が手取り足取り世話をするようなことは無い。そのためいい会社があると思えば中国全土に移動していくのだ。相当な苦労だが彼女達にはものともしない力強さがある。                

親元にいてもいい就職口が少ないからそうなるわけだが、それにしてもすごいパワーだ。こんな学生達を採用する日系企業はすばらしい人材を抱えることになる。彼女達は卒業後の希望地として、上海、広州、深セン、蘇洲などを上げる。外資系企業は人気なのだ。


 こうして毎日中国の若者達に接していると、正直日本の若者達の未来が気にかかる。私も長年教職に身をおいてきたが、日本の学校教育の限界を常に感じていたものだ。

2006/10/20

馬王堆古墳ミイラと珈琲


9月8日(金)
 夜は長沙に来て初めての雨だ。肌寒いくらいに冷える。ここは大陸だ。日本なら残暑真っ盛りだ。


 今日は午後、李行さんにお願いして博物館見学と買い物、ついでに夜は外食とすることで出発。


 博物館は湖南省博物館といい、世界ニュースとして有名になった「女性のミイラ」のあるところだ。入場料は一人50元(800円)、水準としては高いだろうと思うが一見の価値は十分だ。博物館は堂々とした建物だ。さすがに外国人と思われる人が多い。残念ながら説明文が読めないので、タイミングよく李行さんが説明してくれる。日本語の勉強にもなるので彼女は生き生きとしていた。               

ご存知のように、「女性のミイラ」は長沙郊外にある漢代(西暦前200年ほど)の王族の古墳(馬王堆古墳)から発見された。2100年前に埋められたというこのミイラは、当時の最高の技術が施され、まるで死亡した直後のような状態で発見された。関節の一部は動き、皮膚は潤い、じん帯は弾力に富んでいたという。                       

棺は10畳以上はあろう巨大なものだ。何重にも箱が仕組まれ、彼女はその中心の棺に眠るがごとく発見された。さらに古墳からは、さまざまな織物や青銅器、生活用具、書籍、地図、薬品、食品などが発見され、その技術は近代技術に匹敵するものも多いという。全てこの博物館に展示されている。スケールの大きさと
歴史的価値の高い展示物に圧倒された。絢爛豪華、贅の限りを尽くしたであろうこの王女も、齢50年ほどだったという。さまざまな病気に悩まされていたようだ。


あまりのスケールに、博物館を後にしたときは疲労感に包まれた。隣接してこれまた広大な市民の憩いの公園とされる「烈士公園」があるが今日はもういい。いつか案内してもらうことにしてしばらく小雨の中を歩いた。日本語と中国語を交えた会話が実に愉快だ。


 道すがら、烈士公園入り口付近で何と「上島珈琲店」なるものが目に入った。「おお!コーヒー屋だ」思わず感嘆の声を上げてしまった。日本の有名なコーヒー屋だ(後で、関係があるかどうかは不明ということになったが)。久しぶりに本格的なコーヒーを飲もうと決めて、普段コーヒーは飲まないという彼女を強引に誘って店に入る。              


落ち着いたおしゃれた店だ。お気に入り。早速コーヒーを注文。味は日本と同じで「ホット」する。一杯30元(450円)は少し割高程度だが、中国の人には高い飲み物と思う。しかし上等なソフアで時間も無制限(2回目に一人で行ったときはソフアで寝ている人がいた)とか。本格的な食事もできるレストランの様でもある。                    長沙のコーヒー屋はアンテークでおしゃれ店が多い。以後時々あちこちコーヒー屋をあさることになる。                       

その後李行さんが見つけておいてくれた電気スタンドを買い、長沙料理を食べてタクシーで帰宅した。ころあいを見計らうように、李行さんから電話が入る。「先生無事に帰りましたか」と。やさしい心遣いに感謝だ。

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