大観峰

● 私の好きな山の風景(1)大観峰

その日は天気にも恵まれていた。阿蘇・九重をドライブするうち、やまなみハイウエイーから菊池渓谷へ行こうと思い内牧温泉から212号線を登っていると数台の車が道端に停車している。徐行しながら見ると駐車場もあり、ひとが三々五々歩いたり座り込んだりして遥かかなたの山容を眺めている。

 私たちも駐車場に入り車をおいてゆっくり歩いて山際に座り込んだ。そして視界全体に飛びこんできたその大パノラマに思わず息をのんだ。それが名前も知らなかった「大観峰」との初めての出会いであった。

 その素晴らしさは語彙の持ち合わせの少ない私には表現のしようもないが、その日はただただ感動するばかりで詳しいことは覚えていない。家に帰っていろいろ調べてみると、阿蘇には“七鼻”とよばれる突き出た場所があり、大観峰もその一つとのこと。

 それからはあの景色がしばらくは頭を離れなかった。また行ってみたい。何回でも行きたい。そんな思いのなかでそのあと何回行ったか覚えていないが、

孫たちとの家族旅行、北九州時代の合唱団仲間とのペンッションでの合宿、同じ仲間3組での夫婦旅行、現役時代の社内旅行で日田・別府の帰り道に寄った時は途中まで大雨だったものが大観峰に着いたときにはきれいに晴れ上がってくれた。数えきれないがこうしてみると10回くらいは行ってるかな〜。

 熊本から阿蘇、九重、別府へ車で走ることがあったら、高速道路を熊本で降りたあと国道57号線を阿蘇方面に向かって次のように進んでください。  

菊陽町を通過し大津町の“道の駅・大津”を左に見ながら進むとすぐ“ミルクロード入口”の標識があります。そこを左に入ってあとは道なりにどんどん進んでください。途中“菊池阿蘇スカイライン”と合流しますが標識に従って右方向に進んでください。

 そのあとも道路標識の通りです。駐車スペースは広く売店などもあります。展望できる場所は駐車場近辺でも十分ですが、徒歩で約10分のところに展望所があります。

 阿蘇谷を挟んで正面に阿蘇五岳が鎮座し左から根子岳、高岳、中岳、杵島岳、

烏帽子岳と続いていますが、この山容がお釈迦様が寝ているようにみえることから「涅槃像」とも呼ばれているようです。ここからは内牧温泉や“やまなみハイウエイー”の瀬の本高原方面などへ行くことが出来ます。

 行ったことのない方は是非1回足を運んでください。私がお勧めする日本一の山の風景です。百聞は一見に如かず。