RIKKYO UNIVERSITY
しばらくお待ちください。
Kの教室のあった5号館
池袋日記 (s36年頃)
西口マーケット街
その入り口にはこう書いてあった。
・・・・・・・「立大要町近道」
Kは立教に通うようになってから、度々利用している
店じゃないから利用、というのもなんだか変だが「通る」というより
「利用する」といった方がなんだか合ってるから不思議である。
大体、この道を利用する者は学校に遅刻しそうな朝寝坊学生が多い
ほとんどの学生がまっすぐ前だけを見て急ぎ足で歩いている。
不思議と女子学生はいない。
遅刻してもいいから、
・・・・・・・・この道だけは敬遠したい・・・といったところかもしれない。
一昔前、此処には夜の蝶たちと、群がる飲み客たちで賑わっていた
という。
今でも水商売の店名が多い。名前も独特である。
どん底・・奈落・・エデン・・崖・・ジャンル分けするとゲイバー、暴力バー
サービスバー・・・うたごえ喫茶「灯」「山小屋」もこの近くにある。
つぎに四、五軒の古物やがある。 バカに安い。 安すぎるので、
人は「かっぱらい屋」と言っている。
以前、入学当時、学校紹介のパンフレットの中にもそのことは書いて
あった。
でも、kの一番関心をもったのは食堂だった。
三軒ぐらいある焼き鳥屋は「西口焼鳥街」に負けないくらい美味しい・
安い!ボリュウム満点! 衛生的?を除けば最高だ。
だから、サラリーマンの客が多い。見た目紳士がいっぱいだ。いっぱい
ひっかけた後、蝶たちの餌食になる。エデンのつもりが奈落行き。
朝、裸で外に横たわる男がいる。と聞いたことがある。
西口マーケットも近々、区画整理の対象と聞く。
副都心・池袋のために、わが立教のために、あの区域がきれいにな
るのはいいことだ。
だが、あの汚い食堂で、バリッとした服をきて、メガネを拭きふき食べ
ている紳士?たちの姿を忘れないだろう。
40年後の今
かってのマーケット跡は
西公園となった。