大石ケイジ的長沙日記
食についての私的意見。
2004/04/23

さて、ここらでここ長沙市の食べ物情報を書いてみよう。あくまで、僕自身の偏見と体験上の情報であることをお断りしてである。

 滞在体験者からすればかなり貧弱な体験でお恥ずかしい。
忘れない為に書き留めておく、と、まあそんな感じと解釈して欲しい。

 来る前に持っていた予備知識のうち、辛さ(唐辛子辛さと塩辛さ)はいつも,注文の際「不辛的!」「不辛的!」と注文するし、というより、同伴に、してもらっているので、さほど感じなかった。

 また長沙人が口をそろえて「美味しいよ。」という蛇 も、チンワと発音する青蛙も試食はしてみた。いずれも、美味しかった。

 蛇も元の形を想像しなかったら、「味口蛇」という料理は醤油味に煮て食べたけど不味くはなかった。でも、続けていくつも口にするまでは行かなかった。特に、料理の皿の中にあるクルッと丸まった黒い蛇の皮を、美味しそうに食べる袁静さんをみていて、異国を感じた。

 鄭さんなど、食べ終わると、お皿の上には脊椎と糸のよう細いあばら骨だけが残っていた。

スーパーの食品売り場にごそごそしているウグイ(亀)は結局、食べなかった。こんな形でヘビを売っているのを見た事はなかった。もひとつ、長沙人は犬が好物と聞いていたが、これも大げさな表現のようだ。
 
もっとも、鄭さんは「犬も、猫も美味しいよ。」とウインクをしてみせたけど。

食堂についていえば、「松花江餃子店」はお勧め店ナンバー1である。
 黄興路近くの解放路にある店(滋賀の竹岡健一さんご夫婦にお勧めメニューまで紹介して貰った店)と長沙駅から五一大路を西に向かって10分も歩くと右側にある「松花江餃子店」は共に10数回訪れた店である。

ベストメニューは焼き(ジャン)餃子(ジャォズ)に水餃子、中の具は何でも美味しい。
注文するとき注意しなければならないのが注文の仕方である。

 日本のように一皿とか、一人前とかは言わない。一人前を2(アー)両(リャン)と、1両が約50g(5個ぐらい)最小注文単位が2両である。

竹岡さんに勧められたうちの3〜4品をいつも注文する。一人前の料金が大体、20元ぐらいになり、学生3,4人で行っても60元を余り超えない。

今にして思えば、竹岡ご夫妻は、6種類ぐらいの注文をされたところをみると、僕に試食を勧められたのだろう。多分一番高かった牛肉の薄く切った醤油味は、その後は僕のオーダーからは除かれた。正式名は醤牛肉といい、一皿、25元ぐらいだったと思う。

 白菜猪肉も美味しかったけど、その後は食べていない。恐らく、その時の料金は3人で100元は超えていただろう。気の毒なことをした。

さて、何といってもここの餃子に並ぶ人気メニューは「東北三糸」(糸の字はこれではない)という春雨、細切りキュウリに卵焼きをこれまた細く刻んだもの。酢醤油で混ぜる。

「小葱拌豆腐」という絹ごしトーフの上に小ねぎを載せ、醤油をかけてたべる。醤油の中に油が入っているのがなければ日本の冷奴である。僕は溜まった油をすてて上から醤油だけを又、かけて食べる。

 これにねぎのお餅も美味しかった。正式名は香甜糖餅、これは中国人はよく注文する。形は違うけど味はどこも似ている。要するに甘い餅を薄く延ばしたものである。

回数多く行った店では歩行者天国(歩行街ブシンジェ)の入口角にある日本料理店「火の国ラーメン」は日本人には安心して行ける店と言える。5回ほど行ったけど、不思議と日本語はどこからも聞こえてこなかった。従業員小姐たちの、下手な「イラシャイマセ〜」の日本語以外は。

 ラーメンは一回食べて止めた。20種ぐらいあって20元と、まあまあだけど、焼き魚(サンマ、ししゃも)のほか、コロッケ、サラダ、寿司も二個10元と異常に高いが味は悪くない。

 日本感覚で食べたら500円で充分なので、日本の寿司を食べたい向きにはお勧めである。みそ汁とキュウリのおしんこはサービスである。

もう、4年ほど前、ウルムチの日本料理店「平政」に馬麗春に連れて行ってもらった。
あのとき食べた寿司の味も忘れられなうほど美味しかったけど。実際は、期待感の薄さとの格差がないので,そう思うだけで、日本でだと、美味しい回転すしと違いはないのかもしれない。と言ったら、「平政」の美人おかみや「火の国」の調理師におこられそうだが。

何時か、「かつカレー」を食べたことがあったけど、ごはんとルウの比率が、ごはん7にルウ3、その上に薄いトンカツが載っている。これも、味は悪くない、でも、なんとなく変だ。ご飯をたくさん残してしまった。

 日本ではカレーを食べて、こんなにご飯を残した経験がないので奇怪である。そういえば、炒飯もいつも三分の一は残す。僕が小食なのか中国人が大食いなのか?疑問は解けない。

ここの「黄興路」近くに平和堂がある。そこの6階にあるブラジル料理店はおそらく長沙では指折りの人気店だろう。竹岡氏のお勧めレストランにも入っていたので、袁静さんご夫婦に連れて行ってもらったことは先に書いたが、あの肉の味と、ボリーユームたっぷりのサラダに惹かれ数日後、また出かけた。

日本語も少し話せる人気ブラジリアン(堺駿二に似ている)の柔らかい肉を切ってもらいながら、彼と日本語で短い会話を交わすのも楽しい。彼はここの主人なんだろうか?二度目なのに、顔なじみになってしまった。

 30分程に一度ぐらい回ってくるのでいつも皿の上には彼の柔らかい肉がなくならない。他の人より多めに切ってくれるからだ。

6名ほどのコックがシュシュカバを持ってテーブルを回る。湖南料理と果物やサラダ、それにアイスクリームはセルフになっている。1人50元、土日は58元である。日本人が来たら、まず、連れて行きたいナンバーワン・レストランである。

食べ歩き、というほど食べに行ってはいない。殆どは、ヤオリン近くの庶民食堂か会社の食堂での昼ごはんで済ましている。いずれも4元から6元、ビール3元を加えても日本円にして150円ぐらいである。

 味にも慣れてきたし、空心菜など、気に入りの野菜炒めも分ってきたので、済まそうと思えば、一日の生活費は300円(20元)もあれば充分過ぎる。

 範先生とは、週一回は必ず行く「碧水藍天温泉」でこれまた、何でこんな料理が無料なのと思うほどの食事を食べながら、長沙の生活水準や中国事情、過去と未来の展望などをいつも語る。

 分りやすく今の生活事情を言えばこうである。まず住まいで言えば、日本の3LDKの各部屋を十畳程度にデラックスにした部屋で2万円足らずが一月の家賃という。

 範先生の自宅(結構、豪華であるが、僕の家程度です。と、彼は言う)範先生は毎日、朝、9時から夕方6時まで、若い女性のお手伝いさん(一昔前の日本の女中さん)を月400元で雇っておられるそうである。

 掃除、洗濯、料理(昼と夜)まかせで、食事は食べさせてあげてるそうである。それでも安い。一万円(750元)も出したら、お気に入りの若い女中さんが雇えると言う。「貧しい農村人口が中国は多いですからね」と範先生は言う。


1月の食料費や交通費、以外とかかる携帯電話代などを合わせて1万5千円(1200元ほど)会わせて4万5千円あれば、まずまずの快適生活は、今の中国では出来ることになる。範先生は言う。
「上海郊外の田舎に住む外国人の引退者(年金生活の夫婦)がとても増えてきています」と。ただし、マンションやマイカーを買うとなると日本と現状は変わらないという。むしろ、贅沢品に関しては日本より金がかかると言う。

 情報、文化、娯楽、治安のいい、上海、大連、青島などの郊外に家を借りて老後を過ごす方が、アメリカやオーストラリア、スペイン、タイなど、いわゆる顔から違う国でのんびり老後を暮らすより、中国の方が溶け込みやすいと思うのは僕だけだろうか?言葉が分らない、通じないのはどこへ行っても同じこと、その個人の問題であろう